【あらすじ・レビュー】『たゆたえども沈まず』わたしたちが知っているゴッホは本当のゴッホなのだろうか

みなさんはゴッホという画家をご存知でしょうか。

教科書や美術館で見たりどこかで名前ぐらいは聞いたことがあるという方も多いかと思います。

では、彼の人となりや人生についてはいかがでしょうか?

『たゆたえども沈まず』は、そんなゴッホの知られざる一面を教えてくれる一冊です。

『たゆたえども沈まず』の概要

タイトルたゆたえども沈まず
著者原田マハ
出版社幻冬舎文庫
出版日2017年10月
ジャンル長編小説、アートフィクション


『たゆたえども沈まず』は、初版が2020年4月10日、第五版が2020年7月31日の小説です。

原田マハさんの作品のひとつで、同じくゴッホを題材とした『リボルバー』が2021年に刊行されていることからも、ファンの間で高い人気を誇ります。

また、著者自身が数年間の現地取材を経た上で本作品を書き上げているので、膨大な製作期間をかけて

書き上げられた一冊となります。

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『たゆたえども沈まず』のあらすじ

ここからは、あらすじ紹介となりますので内容のネタバレにご注意ください。

ゴッホ兄弟とパリ

憧れのパリに理解者を求め、生まれ故郷であるオランダからやってきたゴッホと兄の才能を信じ、画商として支援する弟テオ。

しかし、花の都パリでも認められることはなく、失望と焦りと怒りで二人は徐々に追い詰められていきます。

そんな中、彼らを見出したのが日本人美術商である林忠正(はやしただまさ)でした。

ジャポニズムとの共鳴

林忠正やパリで行われた万国博覧会を通じて、今までにない日本のスタイルに触れたゴッホは今までの作風から一転、自分だけの表現を見出そうともがき始めます。

パリではない、まだ見ぬ日本。そして日本ではない、別のどこかで必ずや評価されると信じ、
一心不乱に制作に没頭するゴッホでしたが、彼にのこされた時間はあまりに僅かでした。

たゆたえども沈まず

作品に向き合えば向き合うほど、周囲の人々の間に溝ができてしまい、孤独が深まるゴッホ。

どれだけもがいても、何も生み出せない。誰にも評価されない。

そして、最後にはひとりでひっそりと最期を迎え、兄という半身を失ったテオも後を追うように
亡くなってしまいます。

しかし、彼らの遺した作品は、夜空に浮かぶ星々のように今もなお我々を惹きつけます。

時代の波に飲まれながらも沈むことなく、絶えずいつまでも輝きつづけるのです。

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『たゆたえども沈まず』の口コミ・評価

良い口コミ・評価

母の薦めで。ゴッホの生涯についてはぼんやり知っていたがこの本を読んで詳細を知った。ゴッホの人生における孤独こそが彼を世界一有名な画家の1人にしたのだと思う。人は誰しも孤独だから、ゴッホ自身に、ひいてはゴッホの絵に惹かれるのではないか。でも、孤独の中にテオという救いがいたし、死後の評価はテオの妻たちの尽力のたまものである。ゴッホには親族の愛があった。ゴッホにもテオにも幸せになって欲しかったが、悲劇的な結末が、現代のゴッホの名声に繋がっていることも間違いない。

読書メーターより引用

今まで絵画に興味はあるものの、美的センスを持ち合わせていないため、どんな感想を抱けば良いのか分からなかった。この本を読んでそれは、良くも悪くも所詮は個人の感想なのだと感じた。例えるなら文豪作品で読む時々や、作者の生い立ちを踏まえた上で、感想が変わるのにも似ている様に思える。とても悲しい内容だったが心を強く打たれた一冊だった。今まで読んできた原田マハさん著作の中でも太鼓判だ。

読書メーターより引用

今年の正月の博士ちゃんという番組の北斎博士ちゃんの回で芦田愛菜ちゃんが読んだと話していたので、気になって読んでみたのだけど、とっても面白くて一気読みしてしまいました。私は絵を見るのが好きだけど、作者の生涯や美術界の人達のことを全然知らなかったのだなと思いました。 原田マハさんは元キュレーターもされてた方なので、フィクションと事実を上手く繋げてとても良い話でした。 アートが好きだけど、作者をあまり知らないという人は読んで欲しいです。

読書メーターより引用

『たゆたえども沈まず』の良い口コミを見ていくと、

ゴッホの生い立ちを知ることで、絵画の見方が変わったという声があがっています。

その他にも心を強く打たれた、フィクションと事実のバランスがよいといった声も見受けられました。

悪い口コミ・評価

普通に駄目だと思う。読みやすいから読めたけど…取材の量の凄さというか、19世紀パリで起こるエピソードの真実味はあると思い、それは認めたいけど外連味というか人物描写の強弱のつけかたをかなり幼稚に感じる。でもこれが漫画か映画だったら嬉しいかも知れんとは思えたのでこれはアニメ映画なんだ…ッと言い聞かせ脳内で映像を幻視することで読み切った。タイトルの意味も最初の方で明かされてしまってツマラン。何よりなんか女性描写が微妙で容姿の描写、貞淑な振る舞いなど作者がそれらの典型を嬉々として振り翳しているみたいでキモかった。

読書メーターより引用

難しくて挫折

読書メーターより引用

この人の本は「太陽の棘」に続いて2冊目だった。うーんまあ正直微妙だな。美術創作フィクションみたいな(そんなジャンルある?)たてつけがこの著者の特徴なんだけど、題材はいいとして、物語のリアリティがあんまりないんだよなあ。もっとゴッホって頭おかしかったんじゃない?モームの「月と6ペンス」はとてもいいのに(そもそも比べるようなもんじゃないような)でもこのゴッホの星と月の夜の絵の表紙は美術に疎い自分でもとても好きなので、それだけがポイントって感じ。

読書メーターより引用

『たゆたえども沈まず』の悪い口コミを見ていくと、

物語のリアリティがない、人物描写に粗がみられるといった声が一部あがっていました。

しかし、大半は作品に対して好意的な口コミで占められており、おおむね高い評価を受けていました。

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『たゆたえども沈まず』を読んだ感想

実は、私が「たゆたえども沈まず」を知ったのは、副読本となる「ゴッホのあしあと」がきっかけでした。

「ゴッホのあしあと」は、原田マハさん独自のゴッホに関する取材ルポ本です。

実際にゴッホのいたフランスまで足を運び、実地取材を行ったうえで著者独自の考察をふまえた内容がわずか169ページでコンパクトにまとめられており、情熱と情報量の多さに驚かされました。

本書と併せて改めて読んでみると、狂気的なイメージで語られがちなゴッホが実は母国語以外の言語を非常に正確に使用して手紙を書いていたり、基本的には繊細で穏やかな性格だったことが分かります。

作品以外の側面に踏み入ることで、わずかながらゴッホの息吹を感じた気がしました。

『たゆたえども沈まず』はどんな人におすすめ?

『たゆたえども沈まず』は、こんな人におすすめです。

  • ゴッホが好きな方
  • 美術小説をいままで読んだことがない方
  • 史実をもとにした小説を読みたい方
  • 原田マハさんの『リボルバー』を読んだ方
  • ゴッホ展を鑑賞する前に予習したい方

おわりに

いかがでしたでしょうか?

「たゆたえども沈まず」はもちろん、「ゴッホのあしあと」を読むと更により一層、原田マハさんとゴッホが持つ魅力について理解できるのではないでしょうか。

本記事を読んですこしでも読んでみよう!という気持ちになっていただけたら幸いです!

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