
自分の生活に満足できず、何かを求めている。
そんな状態が続いているのであれば、この本がおすすめできます。
リアリティーのありすぎる話が11個、それぞれの色を放ちながら、待ち構えています。
そんな刺激的のある恋愛短編集を見ていきましょう!
『知りたがりやの猫』の概要
| タイトル | 知りたがりやの猫 |
| 著者 | 林真理子 |
| 出版社 | 新潮社 |
| 出版日 | 平成19年6月1日 |
| ジャンル | 恋愛短編小説 |
『知りたがりやの猫』は、山梨県出身である林真理子さんによって描かれた恋愛短編集です。
妻子ある男性と交際を続けたり、夫に愛人ができたことで離婚をしたりなどの11個のエピソードがまとめられています。
主人公は基本的に女性となっており、女性ならではの悩みの部分が多く描かれています。
『知りたがりやの猫』のあらすじ

離婚と子供の変化
4つ目の話である「口紅」では、離婚した父親とその娘の二人で話が進められます。
離婚が確定し、母親と娘が同居し、父親が出ていくことになったとき、娘は泣きじゃくって父にしがみつくほど、淋しがっていました。
しかし、時間が進むと、毎週会社にしていた連絡もしなくなります。
そんな時、いきなり娘のほうから「口紅が欲しい」との連絡がありました。
久しぶりの再会ということもあり、父親は喜びデパートで高級品を買うつもりでしたが、娘が選んだのは一本800円の口紅だったのです。
猫はすべて知っている
表題作である「知りたがりやの猫」では、30代半ばのキャリアウーマンの話が描かれています。
女性は、妻子持ちの男と不倫関係にあり、女性が購入した猫のいる自宅に、よく男を呼んでいました。
女性と男が夜の営み中、女性から猫がたまに見えることがありますが、男の視線には絶対に映りませんでした。
男との関係が終わり、女性は別の男性と結婚をします。
その後、新婚生活の中で、女性は猫が、「いろんなことがあったけど、落ち着いたなぁ」と言わんばかりの顔をしてこちらを見ている、と感じていました。
私たちのそれぞれの人生をこれほど凝視してくれるのは、神と守護霊、そして飼っている猫ぐらいのものだ。
p132より引用
強く呪う気持ち
10個目の話である「ガーデンパーティー」では、夫に愛人を作られ離婚し、憤る女性を描いています。
離婚する前の結婚生活では、夫の友人らを自宅に招き、飲み会を行うほど仲が良かったのですが、夫が愛人との結婚で披露宴を行う際、その夫の友人らが盛大に行おうと、多くの人を招こうとします。
夫の友人らの態度に憤る主人公は、披露宴の食べ物に毒を盛ることや、ウェディングケーキの代の中に潜むなどの復讐を思いつきますが、とどまります。
その代わりに、披露宴の会場になるウェディングガーデンを訪れ、強く呪うのでした。
私の心から出た毒は、体を通り足を抜け、この芝生の土に浸み込んでいくはずだ。
p159より引用
『知りたがりやの猫』の口コミ・評価

良い口コミ・評価
浮気や不倫、元彼への思い出や気持ちを女性たちの目線で描かれた短編小説。決して綺麗じゃない恋愛で大人の女性のやきもきとした気持ちがありありと伝わってきて面白かった。重くなりすぎず一話一話の長さもちょうど良くて読みやすかった。
読書メーターより引用
表題作は、猫を飼うことで、様々な日常生活が猫に見られているという感じが端的に表現されていると思いました。飼い主は、色々な場面で猫の表情を観察しているけれども、それ以上に、猫も飼い主を観察しているかもしれないと感じられました。その他の短編も、心の琴線に触れるような切ないストーリーや、男女の心理描写が奥深く考察されたストーリーが多くて、どれも良かったと思いました。
読書メーターより引用
久しぶりの林真理子さん。このお方、意地悪なオンナを描かせたら日本一!いや、世界一かも(^^)11話の短編集なんですが、意地悪過ぎて笑ってしまうお話や、同情してしまい少しウルッときたお話もありました。どろっとしたものがてんこ盛りです。男性にはある意味ホラーですね。
読書メーターより引用
『知りたがりやの猫』の良い口コミを見ていくと、ストーリーの内容がきれいすぎないので共感できた、という声が見られました。
また、内容はどろっとしていても短編集なのですらっと読めた、という声も見られました。
悪い口コミ・評価
短編集。このあと主人公はどうなるの?どうするの?という消化不良に終わる。スッキリ完結する物語が好きなひとには向かない。
読書メーターより引用
読んでいて段々テンションが下がってきたので途中で読むのを止めた。
読書メーターより引用
不倫をする度胸も 実力もない 相手を憎むのも面倒な私は どういう立ち位置で読めばよいのか わからないまま 終わった。短編集でよかった。
読書メーターより引用
『知りたがりやの猫』の悪い口コミを見ていくと、結末があんまりすっきりしない、という声が見られました。
しかし、そのすっきりしない感じが現実味を帯びて共感しやすいという声も見られたので、好みによって評価が分かれそうです。
『知りたがりやの猫』を読んだ感想

『知りたがりやの猫』は、裏ではこんなことが行われているのか、という気持ちになる部分があるほど現実味のある話が多く描かれています。
不倫をしている状態や、これから不倫をしようとする話があり、どろどろの恋愛短編集かと思われるかもしれませんが、前述した「口紅」では、娘のために尽くしたい父親と大人になっていく娘がとてもリアルに表現されています。
子供や30代の女性といった様々な年齢層の心情を表現力が、とても巧みだと思いました!
【知りたがりやの猫】はどんな人におすすめ?

『知りたがりやの猫』は、こんな人におすすめです。
- 恋愛小説初心者
- 読みやすい本を探している
- リアリティーさ重視
- 若干のゾっとする感じを求めている
内容だけでいうと、少し重ためかもしれませんが、ページ数的にはすぐに読めるので恋愛小説にチャレンジしたいかたにもおすすめです。
おわりに

『知りたがりやの猫』は、表紙デザインよりも想像以上に重たい話が出てきます。
ただ、それが人間らしさであり、生きていることを一番実感する瞬間なのかもしれません。
そんなリアリティーのある話をのぞいてみてはいかがでしょうか?


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