【あらすじ・レビュー】『人を動かす』ビジネス書から考える世の中との関わり方

「頑張っているのに、良い結果が出ない…」

「人間関係が上手くいかない…」

生きる上でそんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか?

特に、人間関係では気を遣いすぎてどうして良いか分からず、擦り減ってしまう人は、現代社会にとても多いように思われて仕方ありません。

自分だけに限らず、努力は報われて欲しい物です。

努力と最良を結ぶものは、ひょっとしたら他人との距離感を掴むことかもしれません。

今回ご紹介する一冊が、何かヒントになれば幸いです。

『人を動かす』の概要

タイトル人を動かす
著者デール・カーネギー
出版社創元社
出版日2016年1月20日
ジャンル自己啓発書



『人を動かす』は、自己啓発のジャンルで長年にわたりベストセラーとされている本です。

漫画版、超訳版、完全版など様々な形式で発売されています。

話し方の講師だったカーネギーにより、人間関係について纏められた本ですが、小説のような語り口から本としても読み応えがある一冊です。

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『人を動かす』のあらすじ

人間関係についてのHow To本

壮大なタイトルに反し、序盤だけでもアメリカ大統領であるリンカーンから大物マフィアのアル・カポネまで、実例を用いた具体的な解説が多いことが特徴です。

このことから分かるように、この著書は単に成功を目標にしたビジネス哲学をまとめているわけではありません。

特に第1章において、カーネギーは繰り返し『相手の立場になって考える』事の重要性を説いています。

どういうわけで、相手がそんなことをしでかすに至ったか、よく考えてみようではないか。

(中略)そうすれば、同情、寛容、行為も、自ずと生まれ出てくる。

p30より引用

本著では、日々のコミュニケーションをよりスムーズにするヒントが多く詰まっています。

ビジネスだけに止まらない視点

『人を動かす』と言うタイトル通り、人間関係で相手の気持ちに寄り添い、心に訴えかけるアプローチを説いている本書ですが、決してビジネスパーソンのみに向けた書籍ではありません。

繰り返しになりますが、カーネギー自身が研究として多くの人物にインタビューをし、同時に調査員を雇ってデータを収集した文書であることから、安易に人間関係のノウハウや成功へのガイダンスだけを行なっている内容ではないからです。

多くの人物が残したエピソードを紹介しているこの冊子の中には、美談や成功例だけではなく、失敗例や犯罪者と言った一般的に社会悪とされる人物の発言、思考も紹介・分析されています。

特に、出版された1936年は現在と比べて精神科学が発達していなかったことにより、当時アメリカで一流とされていた精神科病院の院長の言葉が紹介されており、私はこの言葉に強いインパクトを受けました。

これは、悲劇だろうか?私にはわからない。その医者もこう言っている。

「仮に私が、ただ手を差し出すだけで、彼女の異常を治せるとしても、私は、そうする気にはなれない。今のままのほうが、彼女は、よほど幸福なのだ」

自己の重要感を渇望するあまりに、狂気の世界にまで入って、それを満たそうという者も、世の中にはいるのだ。

p40より引用

このように、一般的な道徳や常識を一旦置いておき、様々な立場の人が取った行動や思考に対して心情に寄り添った考察をカーネギー自身が実践しています。

『感情』との向き合い方

本書の早い段階で、カーネギーはこのように定義しています。

およそ人を扱う場合には、相手を論理の動物だと思ってはならない。相手は感情の動物であり、しかも偏見に満ち、自尊心と虚栄心によって行動するということをよく心得ておかねばならない。

p29より引用

突き放したような一文ですが、人間関係で一番気にかけるべきポイントを端的に表現している文章だと言えますね。

人間が行動するきっかけはまさしく『感情』であり、そこで常識や正論を武器に対抗するのは感情のぶつかり合い、あまり建設的な行為とは言えません。

本書が提案している「相手の感情に想いを馳せる」と言う行為は、この一文に集約されていると言えるでしょう。

カーネギーの膨大な取材・研究によって紹介される例文を読むだけでも、もしかしたら相手の感情を読み取るヒントになるのでは無いかと思えます。

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『人を動かす』の口コミ・評価

良い口コミ・評価

読書の大先輩である父が、最終的には「古典」や「哲学」にたどり着いたと言うので、お正月に父の本棚から本書を拝借。何でもっと早く読まなかったのだろう。個人的には今年一番のヒット作。一見遠回りに見えたり、自分が損をしているように感じることが、結果的には近道になる。本書に書かれていることは簡単なようで実は難しい。打算的にうわべだけで実践しては意味がない。見透かされてる気がしたし自分の至らなさを確認できた。この内容はビジネスだけに限らず夫婦、親子、友人など全ての人間関係に応用できるので一度は読んでみる価値アリです。

読書メーターより引用

相手の気持ちを想像し寄り添うことが、結局自分の希望を実現するための近道になる。この「寄り添う」ということをテクニカルに捉えると極端には狡猾とも言えてしまいそうだが、本書はテクニックというより心構えにフォーカスしておりスッと受け入れられる。寄り添い過ぎると、下手をすると芯のない人物だと思われるし、かといって自我を出し過ぎると周囲の反感を買ってしまう。このブレーキとアクセルのバランスがまさに人間関係の肝なのであろう。

読書メーターより引用

名著。他者と深い信頼を築くための原則が詰まった、愛に溢れた本。タイトルから人をコントロールするためのあくどいやり方の本かと思ったら、全く異なっていた。常々、実践しなければならないと分かっていても忘れがちなことが多く書かれている。何度も読み返したい。人の悩みの殆どが、人間関係に起因すると言う。それを円滑にするノウハウが詰まった本著を読むことの重要性は極めて高いだろう。家族関係、友人関係、ビジネス等、多くの場面で役立つ。

読書メーターより引用

『人を動かす』の良い口コミを見ていくと、人間関係で悩んでいる読者の方にも何かヒントを得たという人や、振り返るきっかけになったというレビューが多く見られました。

ビジネスパーソン以外に、読書好きの方からも支持を得ている模様です。

悪い口コミ・評価

ちょっと私には合わなかった。 どうも海外の方が書かれた著書が苦手みたいだ。 日本のこういった自己啓発本は欲しい情報を端的に書いている。例えるならばインターネットの検索結果みたいに。ただ海外の本は出来事+教訓を述べているに近い。 私の好みは日本の自己啓発本のようだ。 具体的な状況を含めて知識を得たい方にはおすすめな本だと感じた。

読書メーターより引用

帰納的な書かれ方をしているため少々くどさを感じた

読書メーターより引用

素晴らしい名言が合間合間に出てくるが、その名言が出てくるまでの物語が長すぎて、よくわかんなくなって読むの辞めました。 なんか残念。

読書メーターより引用

『人を動かす』の悪い口コミを見ていくと、時代背景から共感がしにくいと言う意見、説明や理念の復唱するために冗長さを感じるという声も多かったです。

また、実践的なコミュニケーションのテクニックも書いてあることから、人心掌握術と言う非難もありましたが、良くも悪くも自分の意識や自分から他者へのアプローチについて書いているからだと思われます。

その他に、強すぎるタイトルで手を伸ばしにくいと言う意見もちらほら見られましたが、読んでみると内容に反して自己アプローチについての本であったことから、読んで良かったと言うリアクションも多数見受けられました。

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『人を動かす』を読んだ感想

『人を動かす』を読んでみて、何よりも相手の立場になって考える、という行為のディープさを突きつけられたような気分になりました。

自分にとっての常識や正義を主張するだけでは、相手を動かすことが出来ないので、どのように自分の想いを伝えるかと言う部分ではハッとさせられる言葉が非常に多かったです。

この著書について、私は『グラップラー刃牙』の著者である漫画家・板垣恵介氏が影響を受けたと語っているのをきっかけに読んでみました。

私も創作を行っているのですが、『伝える』ためのヒントも多数ある本だと思います。

『人を動かす』はどんな人におすすめ?

『人を動かす』は、こんな人におすすめです。

  • 人間関係に悩んでいる人
  • ビジネスなどで人との関わり方を大切にしたい人
  • クリエイター、特に眼に見える結果とコンテンツの品質を両立させたい人
  • 客観的な視点を求めている人
  • ビジネス哲学に興味があるけど、どれを読めば良いか分からない人

この本に書かれているのは、基本的にとても普遍的な自身の振る舞いについてです。

自身が他人や環境に対するアプローチについて悩んでいる時や振り返る時、この本がもしかすると助けになるかもしれません。

おわりに

『人を動かす』は、パンチのあるタイトルとは裏腹に、自身の振る舞いや考え方を見つめ直すことを説いた1冊です。

自身の中にある視点をほんの少し変えて見ると、新たな気付きがある、そんな分かっていても出来ないようなことに気付かされる内容だと言えます。

何か今、悩みがある方にとって選択肢の1つになれば幸いです。

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