
『ルビンの壺が割れた』の表紙には、タイトルにもある「ルビンの壺」が描かれています。
帯には「日本一の大どんでん返しと断言したい!」と書いてあって、
何かが起こる予感が漂っています。
170ページぐらいで分量は少なめの本なので、一気に楽しめると思います。
『ルビンの壺が割れた』の概要
| タイトル | ルビンの壺が割れた |
| 著者 | 宿野かほる |
| 出版社 | 新潮文庫 |
| 出版日 | 2017年8月22日 |
| ジャンル | 小説 |
『著者は2017年、書き下ろし長編『ルビンの壺が割れた』でデビュー。
衝撃なデビュー作なだけあって、世に驚きをもって迎えられています。
翌年にはAIをテーマとした2作目の小説『はるか』を出版。
著者のプロフィールは公開されておらず、覆面作家として活動されています。』
『ルビンの壺が割れた』のあらすじ
※ネタバレ注意:下記の内容には本作の内容を含みます。

きっかけはFacebookでの再会
28年前に結婚を約束した男女。
「水谷一馬」と「未帆子」がFacebookのメッセージを展開していくストーリーです。
スタートは一馬が未帆子へメッセージを送り、
その内容がすごく丁寧で、未帆子への淡い思い出と誠実に向き合った模様が伝わってきます。
一馬から一方的に送っていたメッセージですが、
少し時間が空いた3通目のメッセージの後に、未帆子からの返信があったことから
昔の回想が展開されていきます。
誠実で熱い想いが伝わってくる大学時代の演劇部
メッセージのやりとりから
2人は大学時代に同じ演劇部で先輩後輩の間柄だったことが明らかになっていきます。
一馬は部長のポジションで、留年してでも演劇にかける熱量がすごく、
部員からも一目置かれる存在。
未帆子は、一見パッとしない女子大生に見えて、
実は人々を惹きこむ演技の才能を発揮するヒロイン。
男気あふれる一馬のもと、演劇にかける部員の活躍や
一馬と未帆子が惹かれあう恋人時代の模様から誠実な青春ドラマを感じさせてくれます。
28年前に結婚を約束した2人の結末やいかに
淡い青春時代を懐かしむ2人の会話が続いていくのかと思いきや。
なぜ、結婚を約束したはずの2人が離れ離れになったのか、
急展開の中で真相は突然、暴かれます。
この本の帯に書いてあった「日本一の大どんでん返しと断言したい!」
その醍醐味を味わえる結末でした。
『ルビンの壺が割れた』の口コミ・評価

良い口コミ・評価
うわぁ・・。これはなかなかですね。全体としては、わりと品の良さそうな男女のメール文章で、最初は若い頃の苦い思い出を綴っていただけかと思ったのですが、途中からは想像もしていなかった方向に向かっていきます。読み終えてから、所々の会話を思い出すと、なんだかいろいろ怖いですね。予備知識ゼロで読めたのも良かったかなと思います。
読書メーターより引用
後半の畳み掛けがすごい。余韻を残す感じ
読書メーターより引用
おもしろかった!まさかの展開、最後はドキッとして思わず笑っちゃった。
読書メーターより引用
『ルビンの壺が割れた』の良い口コミを見ていくと、
最後のどんでん返しがツボにハマって、友人との話題になったり、口コミが増えていったりしているようです。
衝撃的な終わり方には私も同感です。
悪い口コミ・評価
SNSのメッセージ1通目から気持ち悪さを感じてしまいダメかもと思いつつ読了。ピースがはまって絵というか動機が見えてくるとなるほどと思えるところはあった。
読書メーターより引用
なんだろう。メールのやり取りで内容が進む。なんだろう。面白いのかなぁ。ちょっと気持ち悪かった。私には合わなかった。
読書メーターより引用
個人的にこの本は初っ端から読み進めるのが嫌になるくらい男の文章が気持ち悪くてしんどかったです。無駄に文章量が多くて、いちいち相手の言葉に過剰に反応するけど結局自分に都合の良い方に持っていこうとする感じがきつい。 私がここまで嫌悪感を抱くのは、自分も何度も同じ間違いを犯してきたから。 そのせいで、肝心のどんでん返しの部分よりも男が書く文体の気色悪さのほうが印象的でした笑 SNSでやりとりするときは気をつけよう…
読書メーターより引用
『ルビンの壺が割れた』の悪い口コミを見ていくと、
まさに現代が抱えるSNSの闇の部分が嫌悪感として表れていると思います。
湿った感情そのままの文章を目にすると気分が落ち込みますよね。
しかもSNSだとなおさら。
本性を疑い、なんだか怖くなりますよね。
コメントにあるように、SNSのモラルは大事ですね。
『ルビンの壺が割れた』を読んだ感想

『ルビンの壺が割れた』を読んで、これだけは最初に伝えたいのが、読む前に絶対に最後のページを見ない方が良いです(笑)
私がこの本の冒頭を読み進めているときは、
大学時代に恋人だった男女2人の淡い記憶を、大人になってしっとり振り返るのも
「情緒的だな~」と思いました。
しかし、2人だけしか見ていないSNS上の会話とは言え、
言い争いが始まると逃げ場がないなと思いました。
そして、変な予感しかしない結末。
『ルビンの壺が割れた』はどんな人におすすめ?

『ルビンの壺が割れた』はこんなひとにおすすめです。
- どんでん返し系の小説が好きなひと
- シリアス系が好きなひと
- 話題作と聞くと気になってしまうひと
- 長い小説よりも短めな小説が好きなひと
比較的短い本なので、あっさり読めると思います。
展開と結末が気になってそわそわするので、一気に楽しめると思います。
おわりに

ルビンの壺とは
1915年頃にデンマークの心理学者エドガー・ルビンが考案した多義図形のようです。
見方によって、壺がみえたり、向かい合う人の横顔に見えたり。
この本で例えるなら、
男女が向き合っている恋人の構図に見えるし、ストーリーが進むにつれて、登場人物のイメージが全く違うものに見えてきたり。
170ページぐらいの本としては少ない分量ですが、最初と最後で感じ方が変わる読み応えのある本です。


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